蚕の効果・効能
養蚕の守護神「おかいこ様」信仰は日本各地にあり、蚕を祀る神社も存在しています。
日本人と蚕は馴染が深く、数百年も前から飼育されてきました。
蚕は絹繊維の生産目的だけでなく、古来より滋養強壮・美肌に良いとされ、
特に民間療法では、糖尿病への効果は知られていました。
蚕の注目成分は、生物濃縮されたDNJ (デオキシノリジマイシン)です。
他にも様々な昆虫ホルモンなどの良質な天然アミノ酸をはじめ、
体内でビタミンAに転化されるカロチン、
ビタミンE、その他カルシウム、カリウム、鉄、食物繊維などを豊富に含んでいます。
蚕に豊富に含まれるDNJ(デオキシノジリマイシン)は、蚕の食す桑の葉に含まれる特有成分です。
DNJは現在、桑以外の植物には確認されていません。
このDNJには、糖分解酵素(アルファ・グルコシダーゼ)の働きを阻害し、
糖の吸収を抑え、食後の急激な血糖値上昇を抑制する作用が立証されています。
さらに、DNJにより吸収されなかった糖は、大腸内の微生物によって炭酸ガスなどを生成し、
便通を改善したりすることも確認されています。
日本でもマウスを使った実験によると、血糖値降下・体重抑制効果などが認められます。
韓国では蚕は糖尿病への大変優れた効果が証明され、医薬品成分として使用されています。
韓国政府は「蚕粉末を有効成分として含む、血糖降下剤およびその製造方法」において、
日本と韓国で特許を取得しています。
また生物濃縮された蚕のDNJは、様々な有用成分と相乗作用をもたらすため、
桑葉から摂取するよりも有効と考えられています。
DNJ量は桑葉の3倍、その吸収率は30倍にも及び、桑葉とは全く比較になりません。
このDNJ以外にも蚕は良質な天然アミノ酸や様々な微量元素を持ち合わせています。
なかでも代表的なアミノ酸であるグリシンやチロシン、セリンなどは体内のコレステロールに働き、
滞りがちな血液の流れを促すため、気になる糖への作用だけでなく様々な相乗作用があるとされています。
またエクジソンなどの昆虫ホルモンやリン脂質の一種ケファリンには、
美容や精力増進に効果があるとされ、最新の研究では、ウイルスへの抑制効果も報告されています。